倉本美津留 presents 生配信シブカルSHOW グランプリ “最アーホ” 作品 展示中!
- 日時
- 10/21(火)〜10/26(日)
- 場所
- エレベーター前共用スペース(渋谷パルコPART1・1F)
「既存のアートを超越した“アーホ”な表現であるか」を基準に放送作家の倉本美津留さんが講評・選考する「倉本美津留 presents 生配信シブカルSHOW」。10月19日(日)に、2.5D(渋谷パルコPART1・6F)に集まった作品の中から下記の作品がグランプリ“最アーホ” 作品に選ばれました。渋谷パルコPART1・1F、エレベーター前共用スペースに展示中です。是非ご覧ください。
〈倉本美津留さん選考コメント〉
食品サンプルが、本来の用途ではなく、ファッションやインテリアとしての価値があることが気づかれて久しい。なので、この作品群に既視感があり、ともすればオリジナリティがあまりないものとして捉えられる危険性があるが、実はこの作品は似て非なるモノ。どこが非なるかというと、まず、作者は、本職が食品サンプルの作成者。まさにプロフェッショナルで生業としているその行為をセルフパロディーとも言えるアプローチでやってのけているということ=この作者は素材からこのクオリティーまでの全作業を経て生み出している、というアート表現にとって最重要ポイントとも言える0を1にする行為であるということ。そして、食品サンプルという、食品(料理)が先にあって、それにそっくりなものを作ってくださいという発注によって始まる作業を、元も発注もないものを自分たちの発想で作ってしまい、そのことによって結果的に通常の『料理 → サンプル』の逆『サンプル → 料理』という時系列の逆転の可能性を生み出してしまっているということ。まさにそのことが作品のタイトルとなっているわけで、ここには実は今までありそうでなかった、シンプルイズストロングが潜んでいる=アーホ!度が高い! ということで選出させてもらいました。
============
〈倉本美津留さん選考コメント〉
アート(アーホ!)にとって、とても大切なファクターだと思う『偶然=必然』。それを体現している作品だと感じて選出しました。自然の産物である木の一部を貰い受けて、そこから掘ってみないとどんなものが出て来るかわからない見切り発車が、仏師が「とにかく、木の中に埋まっている仏さまを出してさし上げているだけです」に通じる、『偶然』という天の恵みへの感謝を形に! のアプローチが功を奏して、木目がストッキングの位置にちゃんと出現しているという事実。そして、まな板部分は著名な漫画家である父が作り、娘のためのお膳立てをしたという愛、DNAの為せる技が。そんな、産まれるべくして産まれた『偶然否必然』感は今回の展示の評価に値すると思いました。