DAOKO

ラップシンガー
インタビュー第6弾は、赤裸々なリリックとウィスパーボイスで儚い世界観を紡ぎ出し、注目を集めているDAOKOが登場! 「シブカル祭。2013」に続き、2度目の出演になる今年の公園通り広場でのライブと、渋谷について歌ったというシングル『ShibuyaK / さみしいかみさま』について聞いてみました!
最近の主な活動状況について教えて下さい。
今年3月にトイズファクトリーからメジャーデビューしまして、ラップシンガーという肩書きで活動しています。普段は渋谷を中心に、ライブを行っています。10月21日にメジャー第1弾シングル『ShibuyaK / さみしいかみさま』のリリースを控えているのですが、この歌は「シブカル祭。」の舞台であり、活動の拠点でもある渋谷について歌った曲。発展しつづけている混沌とした渋谷という街の中で感じたエモーショナルな想いや情景を感じたままに綴りました。
ラップを初めたきっかけは?
中学生の時、インターネットにかなりハマっていて、「ニコラップ」と呼ばれるオリジナルのラップを投稿する独特のジャンルが盛り上がっていました。最近こそすごく身近になってきましたけど、当時は「女子でラッパー」という肩書きで活動をしている人は少なく、今私がやったら注目されるのかもしれない!という気持ちで投稿したのがきっかけです。ガレージバンドで録音した拙い感じの宅録のラップをドキドキしながら投稿したんですが、当時は結構辛辣なコメントも多かったですね。でもそんな中、インディーズのレーベルの方からたまたま声を掛けていただいて、今に至ります。
もともと、やってやるぞ!という強気な性格ではないのですが、実は内に秘めた野望みたいなものがあって、まずはやってみようと思って実際に行動してみたんです。その精神はいろんなところ反映されていて、ほかにも写真を撮ったり、絵も描いてみたり…。興味を持ったらとりあえず行動に移そうというのはあります。
今の自分に影響を与えた人を教えて下さい。
椎名林檎さんです。デビューされたのが私の生まれた年くらいで、小さい頃からお父さんが車の中でかけていて自然と耳にしていました。それから今に至るまでずっと尊敬しています。
あとは、インディーズ時代にお世話になっていたレーベルLHW?のみなさんです。ラップを始めたのが中学生だったので、多感な時期に人と一緒に何かつくることはとても刺激的でした。この時期は音楽を通じてたくさん友達ができましたし、みんながクリエイターだったので、自然な会話をしていてもクリエイティブな気持ちになりました。
今はメジャーという舞台でやらせていただいているけど、やっぱり自分の感性の根本の部分は変わってないなって思います。昔の曲を聴くと、言葉の使い方は今と違うなと感じるのですが、歌をつくったそのときの感情が手に取るように思い出せる。いろいろな人の影響を受けて成長しながらも、わたしの芯にある物事の捉え方、感じ方はラップを始めた中学生の頃から変わっていない気がします。
新シングル『ShibuyaK』はどんな曲ですか?
サビで「渋谷交差点」と歌っているのですが、タイトルの『ShibuyaK』というのは90年代に流行った音楽の渋谷系と渋谷交差点の「K」のダブルミーニングなんです。聴いてくれた人の心の中に、渋谷の街のリアルな情景が浮かんでくるような構成を意識しました。スクランブル交差点だったり、センター街だったり、リアルな渋谷の場所の単語が出てくるので、聴きながら実際に歩いてみてほしいですね。
渋谷はよくも悪くも情報量が多い街だと思います。私は仕事でもプライベートでも渋谷に来ることが多くて、もともとこの街には思い入れがあります。この曲には、渋谷をホームに、ここで表現してくんだっていう決意的な意味も込めています。
女子クリエイターについてどう思いますか?
みんなそれぞれ自己プロデュースがうまいなと思います。特に、同じ土俵で活動いている女子ラッパーさんはすごくチェックしていて。私自身もメジャーデビューしてからは、これまで以上に人にみられる機会が増えたので、どうしたらもっと多くの人に届くのか意識するようになりました。自分の魅力を世の中に発信する工夫がすごく上手なのがいまの女子クリエイターの特徴だと思いますね。
「シブカル祭。2015」への意気込みをどうぞ。
前回「シブカル祭。」に出演した2013年、あのとき実は初の野外ライブだったんです。外で歌っててもみんな素通りしちゃうんだろうなって不安に思ってたのですが、やってみると意外と人も集まってきてくれた記憶があります。屋外特有の開放感と音の広がりがあって、のびのびライブができました。今回も、見に来てくれる方はもちろん、私のことを全然知らない人にも興味持ってもらえる、いいきっかけだと思うので、そんな人たちにも届くようなライブにしたいです!
あとは、今まではライブ中もキャップを被ったりして、意識的に顔があまり見えないようにしていたのですが、次のシングルのタイミングから、きちんと顔を出していくことにしました。『ShibuyaK』のPVもはじめて顔出しをしていて、それは聴いてくれる方と面を向かってコミュニケーションしていきたいという心持ちのあらわれでもあります。自分の活動の中でもターニングポイントになるでしょう。PV公開後の一発目のライブが「シブカル祭。」なのでお客さんのリアクションも楽しみです!
今後の目標を教えて下さい。
ライブをどんどん精力的にやって、より多くの人に自分の歌を届けたいです。10月にシングルを出して、日本全国を端から端まで回ってライブをしてみたい。そうやってステップアップしていって、いつかは武道館のステージに立ってみたいです。武道館は限られた人しか行けない場所。選ばれし者じゃないですけど、その限られた一人にならなきゃ、と思っています。