幸洋子

映像クリエイター
インタビュー第7弾は、昨年の「美術手帖presentシブカル杯。2014」でグランプリを受賞し、2年連続での「シブカル祭。」参加となる映像クリエイター・幸洋子さんの登場です。ユニークなアニメーション作品で多数のコンペに入選するなど、注目を集める幸さんの素顔に迫ります。
現在の活動状況について教えてください。
現在の活動に至るまでの経緯を教えてください。
東京藝術大学大学院のアニメーション専攻で2年間アニメーションを学び、今年の春卒業しました。
大学院の前は大学で写真、映画、CG、サウンド、インスタレーションなどの授業で、映像にまつわることをいろいろと学び、インスタレーション専攻ゼミというところに所属していました。アニメーションの授業はなかったので、最初は知識がなにもなく、ライトボックスで透かして描くということも知らなかったし、連続して見えるよう順番に絵を描くこともどうやったらいいのかわからなくて……めんどくさそうだなと思っていて、それで人体を描いて重ねていったものを撮影したら、なんか面白い映像ができたかもしれない…となり…アニメーション作品を作るというよりも、絵を使って映像を作っているという感覚でした。
当時は、インスタレーション展示用に作品を作っていたので、作品が映像のコンペティションなどで入選しても、上映会で観てもらうのには向いてないなと感じてました。お客さんが座ってじっくり観るのに合わない作品だったんです。それで、ストーリーのあるわかりやすいものも作れるようにもなりたいし、アニメーションについてもっと知りたいなと思い、東京藝術大学の院に進みました。
最近の受賞作品はなんですか?「シブカル杯。」の影響はありましたか?
最近ですと、下北沢映画祭という映画祭で大学院修了制作の「ズドラーストヴィチェ!」という作品が、急遽その場でできた審査員特別賞をいただけてラッキーでした(笑)「シブカル杯。」の影響は、大学院の修了制作展に来てくださった何人かに、シブカルで観ましたと声をかけていただけました。シブカルはいろいろな人が来場するので、観てくれる層が広がったのかなと感じます。
今の自分に影響をあたえた人や作品、出来事はなんですか?
難しくて、いつもどう答えるか迷っちゃうんですけど……特に意識はしてないですが、ビートルズのアニメ映画「イエローサブマリン」や、「うる星やつら」、「ルパン三世」とかは、よく親に見せられてました(笑)。高校はうる星やつらみたいな世界だと思ってたくらい。ああいう愉快な感じが好きで、観る人が愉快になるものを作りたいですね。作ってる自分も楽しくなって、描きながら笑ってることもよくあります‥
あとは、さくらももこさんのエッセイの表紙が大好きで、小学生の頃によく読んでいました。
作品を発表するときに大事にしていることはなんですか?
作品をどんな人に観てほしいですか?
とにかくいろいろな人に観てほしいですね。アニメーション上映会や映画祭だと、それを好きな人しか観に来なかったりするので。それはそれでいいと思うけど、もっと気軽にいろいろな人に観に来てほしいです。
2度目の参加ですが、「シブカル祭。」の印象は?
去年初めて参加した時は、人数多!って思いました(笑)。すごくパワフルで、こんなにいろいろ作ってる女の子がいるんだって知りました。搬入の時とか、周りの出品者のパワーにビビりながらやっていました(笑)。
渋谷はどんな印象ですか?
上京するまでは、渋谷の印象が完全に漫画の『GALS!』でした(笑)。渋谷って漫画とかドラマによく出てくる街なので、地元の愛知に居た時は、例えば渋谷で事件が起こってもあまりリアリティがなかった。でも東京に来たら、一段階現実世界との層が剥がれたような‥不思議な気持ちになりました。あと、90年代の渋谷で遊びたかった。めっちゃ楽しそう。あのギラギラした感じを体験してみたかったです。あの頃に比べるとあんまり今は元気ないのかなあって思います。
「シブカル祭。」への意気込みをお願いします!
シブカルに出すからには、シブカルだからこそというか、お祭り感があって、ぷりぷりとにぎやかでめでたい作品にしたい。でも、シブカル内に納まりきらないようなものを作りたいですね!