シブカル祭。2015

INTERVIEW

vol.

苅田梨都子(梨凛花~rinrinka~)

梨凛花〜rinrinka〜(苅田梨都子)

ファッションデザイナー

昨年、坂部三樹郎、山縣良和がプロデュースする、若手デザイナーを集めたプロジェクト「東京ニューエイジ」に参加し、その独特な世界観が話題を呼んだ「梨凛花~rinrinka~」。今年のシブカルファッション夜(ナイト)。でランウェイショーを披露するデザイナーの苅田梨都子に突撃インタビュー!

Q.1活動状況について教えてください。

2015AWシーズンの展示会を中野にあるギャラリーで行いました。以前は小物をメインに制作していたので、季節に沿った商品を展開し、即売発表するサイクルでやっていましたが、ショーやインスタレーションに参加させてもらう機会がふえ、最近ではシーズンを先取った、年2回の発表がメインになっています。また、梨凛花~rinrinka~(りんりんか)では、地方に住んでいて、なかなか可愛いものや欲しいものをお店で買えないお客さんにも届けられるように、WEBでの販売にも重点を置いていて、そこでも継続的に作品を発表するようにしています。制作から発送までをほぼ一人でやっているので、時間が掛かって大変ですが、そういう丁寧な気持ちを大事にしていきたいなと思っています。

 

Q.2現在の活動に至るまでの経緯を教えてください。

岐阜県の山に囲まれた田舎町で育ちました。母親が和裁師だったこともあり、布で何かを作る行為を、小さい頃から目にしていたと思います。そういう環境で育ったので、高校も服飾科がある学校に通い、卒業後は上京してバンタンデザイン研究所に入学しました。そこで、講師をしていた坂部三樹郎さんと出会い、ジェニーファックスでインターンをすることになりました。卒業の年には、学校の講師から声をかけてもらい、渋谷パルコ PART3の期間限定ショップnyfvuljin(ニンフブルジン)に作品を出展。その時がブランドとしてのスタートですね。その後、卒業と同時にブランドを本格的にスタートし、自分のペースで活動をしています。

 

Q.3今の自分に影響を与えた人はいますか?

和風で古典的なものに惹かれるのは、母の影響が強いと思います。でも、昔から今のような和を感じさせるスタイルだったわけではなく、高校生の時はもっとキラキラしたファンシ―なものが好きでした(笑)。上京してから、もともと自分が持っている古風な部分とか、幼少期から触れていた和裁の要素に惹かれるようになりました。自分自身の経験やバックグラウンドを見つめ直すことで、徐々に自分の今のスタイルになってきたんです。

Q.4今シーズンのコンセプトは?

2015AWシーズンは、自分で考えた造語「花守小町」がテーマになっています。女の子同士の独特なやりとり(行為や状況など)をテーマに作品を作りまし た。女の子なら一度は友達と手紙の交換をしたことがありますよね? その、もらったときの嬉しさを表現したいと思ったのが始まりです。日常の中にある些細なことかもしれないけど、こういう小さな行為に安心したり、喜びを感 じるのって、女の子特有のものだと思うんです。同性同士の親密な関係性だからこそできることというか。そういう女の子が集まることで生まれるコミュニケー ションや、独特な場のムードを表現できたらと思いました。デザインとしては、パッチワークなどで布を繋げ、洋服の表面を仕切ることで“守る”イメージを 作ったり、2つをつなぐような要素をディテールに落とし込みました。そして、より一層強く世界観を伝えるために、シーズンヴィジュアルの写真にも、テーマ につながる要素を忍ばせています。

「花守小町」(2015)/photography:Natita Ito model:Saki、Sahiro hair&make:Risako Yamamoto

Q.5今後、どのように活動していきたいですか?

ランウェイショーだけではなく、個展や展示販売なども大切にしていきたいと思っています。前シーズンは、お茶を飲みながら楽しんでもらえるよう、喫茶店で展示会を行いました。今後も、お客さんや私自身が、その空間を楽しめるような展示をしたいです。見るだけではなく、いろいろ感じてもらえるような空間を作りたいですね。

Q.6自身を含め、現代の女性クリエイターについてどう思いますか?

最近は昔とは違い、誰でも簡単に物作りをして公開できる環境になってきたと思います。それに作品だけではなく、作り手自身に素敵な人が本当に多い。発信する側が魅力的で興味をそそられる人が多く、そういう人の作品はやっぱり素敵だと思います。

自分自身が作ることを楽しむことが一番重要だと思っているので、誰かと比べるのではなく、穏やかに、かつ、芯は強く、自分のペースでやっていけたらいいなと思っています。作りたい!と思う気持ちが最初に沸いてこないと難しいですからね。

Q.7「シブカル祭。」に出展する作品について、構想があれば教えてください。

自分自身の内面や、育ってきた環境などをテーマにした物作りをしていきたいです。どうしても自分から距離のあるものはテーマにできないので(笑)。今までも女の子にまつわるものを表現してきましたが、それを継続しながら、また違った目線で表現できたらと思っています。

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